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今回オススメするのは「エクソシストの謎」。1988年製作のイタリア映画ですね。88年と言えば、アルジェントの「オペラ座/血の喝采」、ルッジェロ・デオダートの「ヘルバランス」、ルチオ・フルチ(&ブルーノ・マッテイ)の「サンゲリア2」などが公開された年。
イタリアン・ホラー業界全体に凋落の影が見え隠れしはじめた時期で、ハリウッド映画風の撮影テクニックとイタリア映画らしいヤケッパチなバッドテイストが奇妙なアンバランスを醸し出す怪作が続々と登場しておりました。
で、この「エクソシストの謎」。謎はあってもエクソシストは出てきません。リンダ・ブレアは出てきます。とりあえず、魔女に憑依されます。だからエクソシスト。この安直さもまた、今の日本の配給会社にはなくなってしまいましたね。ビデオではアリでも、劇場公開作品でこれはナシでしょう。ていうか、こんな映画が映画館で見れたという事自体が、今となってはあり得ないっすからね。いい時代でした(笑)。
舞台はマサチューセッツの沖合いの孤島に建てられた古い屋敷。かつてここに住んでいた往年のハリウッド女優(ドイツの国民的大女優ヒルデガード・ネフ)が実は魔女だったという噂があり、地元ではお化け屋敷と恐れられている。そこで、デヴィッド・ハッセルホフ(「ナイト・ライダー」)演じるカメラマンと、その恋人の心霊研究家が調査のために屋敷に潜入。で、そこへ屋敷の購入を計画している一家が登場。この一家の妊娠中の長女がリンダ・ブレアというわけ。案の定、にわかに天候は荒れ模様に。一家を連れてきたボートの船長も殺されてしまいます。で、屋敷に軟禁状態となった一行は、一人また一人と魔女によって血祭りに上げられていく……というわけですね。
一番の見どころは、なんと言っても魔女に拉致られた登場人物たちの死に様でしょうか。十字架に磔にされた上に逆さまにされて火あぶりの刑とか、ワラ人形に釘を打ち込まれて体中の血管からピューピュー血を噴いたりとか。大雑把なイタリア映画にしては特殊メイクもよく出来ていて、ドックンドックンと浮き上がった血管が破裂する様なんてなかなか見応えアリ。
しかし、一番悲惨な殺され方をするのは一家の強欲マダムですね。とんでもないクソばばあなんですが、針と糸で口を縫いつけられた上に暖炉に逆さ吊りにされて、生きたまま燻製にされてしまいます。演じるのは日本でも評価の高い50年代のジャズ・シンガー、アニー・ロス。往年のスター転じてゲテモノ女優の典型ですね。いろんな意味で哀れ。ちなみに彼女、「バスケット・ケース」シリーズの肝っ玉オバサンとしてもホラー・ファンにはお馴染みですね。
その他、イタリア映画にしては珍しくアフレコじゃないし、凝ったカメラワークや雰囲気のあるロケーションなど、意外にも良心的な出来栄えの作品。マーティン・ニューリンことファブリツィオ・ラウレンティ監督の処女作で、スタイリッシュな映像の中にもキッチリと見世物小屋的なエログロ描写を盛り込んでいる辺りがマニアのツボを心得ています。ただし、リンダ・ブレアのデカパイ(死語)は拝めませんので悪しからず。って、あんまし見たくはないか(笑)。
「エクソシスト」は観たことあったけど、こんな便乗企画があったんですね(笑)。でも、面白そう!
投稿者: やま